これまで2回(11/21,12/15)ほど、子供の個人情報とプライバシー情報に関する話題を紹介しました。
今回はこの分野での国内の状況を、国民生活センターの報告や省庁・業界ガイドラインなどで
どのように取り扱っているかについて触れてたいと思います。
11/21でも触れた、国民生活センターの「子どもの個人情報に係る消費者トラブルの現状と対応」(2005.3)では以下のデータが示され、
年々、子供の個人情報に関する相談の割合が増えているという結果が報告されています。
個人情報に係る消費生活相談件数の推移(1995~2003年度)
| 年度 |
個人情報に係る消費生活相談件数 |
全相談件数 |
全年代の相談件数
(全相談件数に占める%) |
子どもを当事者とする
相談件数 |
| 1995 |
663(0.2%) |
6 |
274,076 |
| 1996 |
1,135(0.3%) |
12 |
351,139 |
| 1997 |
2,036(0.5%) |
20 |
400,511 |
| 1998 |
2,456(0.6%) |
27 |
415,347 |
| 1999 |
3,341(0.7%) |
49 |
467,110 |
| 2000 |
3,992(0.7%) |
45 |
547,145 |
| 2001 |
6,194(0.9%) |
94 |
655,898 |
| 2002 |
12,777(1.5%) |
300 |
832,644 |
| 2003 |
36,228(2.4%) |
1409 |
1,509,292 |
*(注)国民生活センターのPIO-NETによる(2005年2月10日までの登録分)
残念ながらデータが少し古く、ここ数年の経過はは不明ですが、
この傾向が現在も続くのか、また2005年の個人情報保護法施行後に、
影響があったのかについては興味があります。
同報告書には、子供をターゲットとした個人情報への懸念として以下のような記述があります。
子どもの個人情報に係る相談にみられる典型的なケースは、子どもの名前や携帯電話番号を知る業者から有料情報サービスの高額な料金請求を受ける(子ども個人を特定した不当・架空の請求)、子どもの名前で自宅に勧誘のダイレクトメールや注文した覚えのない商品が送りつけられる(子ども個人を特定した郵便物や配達物)、子どもから個人情報を聞き出そうとする不審な電話や電子メールなどを受け取る(子どもの個人情報を狙う電話やメール)などである。
また、続けて省庁・業界ガイドラインにも触れて、
個人情報に係る消費者トラブルが急増しているなか、個人情報保護法が、2005年4月から全面施行される。同法では特別の対象として子どもを規定していないが、同法を受けて作成・改訂された各省庁や事業者団体等の各分野ごとの個人情報保護ガイドライン等には、特に子どもの個人情報の取扱を規定・解説した部分もみられる。なかでも事業者団体等が自主的に作成した個人情報保護ガイドラインには、子どもの個人情報に対する特別な配慮を規定している場合がある。
と述べています。
以下に一部の省庁・業界団体ガイドラインなどの該当箇所をPickUpしてみます。
【1】ECOM(電子商取引推進協議会)
「民間部門における電子商取引に係る個人情報保護に関するガイドライン(Ver.6.0)」
第14 条(子どもから個人情報を取得する場合の措置)
事業者は、子どもから個人情報を取得する場合には、子どもが理解できる平易な表現で利用目的を明示するものとする。また、事業者は、子どもに個人情報の入力を求める場合は、保護者の了解を得るようにその子どもを促すものとする。
(解説) <中略>
3. ここで「子ども」とは、必ずしも全ての未成年者をいうものではなく、取り扱う商品やサービスにより、対象となる年齢層が定まることを想定した用語である。「JIS Q15001」では一般に12歳から15歳までの年齢以下を対象としている。事業者は、それらを参考にし、かつ個人情報を取り扱う業務の内容を考慮し、対象となる「子ども」の年齢を定め、適正な取得方法に配慮するものとする。また、子どもから取得状況から考えて関係のない両親、家族、友人等に関する個人情報を不当に取得してはならない。
【2】社団法人全国学習塾協会
「個人情報保護に関する学習塾におけるガイドライン」(PDF)
(定義)第4条
(3)本人:個人情報によって識別される特定の個人をいう。情報主体でもある。なお、本人が未成年者(児童・生徒等)又は成年被後見人である場合にはその法定代理人・保護者等も「本人」に含まれるものとする。
(4)生徒及び保護者の同意:情報主体(本人)である生徒及び/又は保護者、従業者(以下、生徒、保護者、従業者等の全ての情報主体を「本人」という)が、取得、利用又は提供に関する情報を与えられた上で、本人に関する情報の取扱いを承諾する意思表示を行うことをいう。
【3】社団法人情報サービス産業協会
「情報サービス産業 個人情報保護ガイドライン」(第4版)(PDF)
(定義)第4条
(2)本人の同意 本人が、個人情報の取扱いに関する情報を与えられた上で、自己に関する個人情報の取扱いについて承諾する意思表示をいう。ただし、本人が子ども又は事理を弁識する能力を欠く者の場合は、法定代理人などの同意を得なければならない。
【4】経済産業省
「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(H20.8)(PDF)
Ⅰ-3-4 インターネットを通じた個人情報の取得
1.考え方
また、子どもを対象としているウェブサイトで、子どもの判断能力・理解力が不十分であることを利用して、親権者の知らない間に子どもから個人情報を取得することも同法第17条及びプライバシー侵害として民法上の不法行為等により違法とされる場合が考えられる。
(2)適用される法律
①個人情報を取得しようとしていることや取得の目的を偽って個人情報を取得すること
子どもを対象としたウェブサイトについては、「取得の事実や取得目的を偽っている」か否かを判断する上で、対象年齢の子どもの判断能力も勘案する必要がある。したがって、大人向けの通常のウェブサイトであれば問題がないと判断されるような行為でも、子ども向けのウェブサイトでは問題とされる可能性がある。例えば懸賞への応募など子どもにとって誘惑的な目的を大きく掲げる一方、個人情報取得の目的については大人向けに作成された個人情報の利用目的を形式的に表示するだけであれば、子どもは個人情報の利用目的を理解しないまま個人情報を入力する可能性が高い。このように子どもの判断能力の不足を利用した方法で個人情報を取得することは、「偽り」による個人情報の取得に該当する可能性がある。特に、ウェブサイトの利用と直接関係しない個人情報(例えば両親の職業や収入状況、家族の趣味など)を子どもから取得することは、ウェブサイトを通じて子どもから取得する合理的な必要性のない情報をわざわざ親権者ではなく子どもから取得すること自体の妥当性に加えて、子どもにとって個人情報取得の意図や意味を理解することが難しいという面でも、取得方法の適法性が問題となる場合が多いと考えられる。
【5】経済産業省
「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」(H20.2)(PDF)
2-1-10.「本人の同意」
なお、個人情報の取扱いに関して同意したことによって生ずる結果について、子どもが判断能力を有していないなどの場合は、法定代理人等から同意を得る必要がある。
2-2-2.個人情報の取得関係(法第17条~第18条関連)
【不正の手段により個人情報を取得している事例】
事例1)親の同意がなく、十分な判断能力を有していない子どもから、取得状況から考えて関係のない親の収入事情などの家族の個人情報を取得する場合
COPPAでは対象年齢は13歳未満と定められており、
JISQ15001では、12-15歳以下となっています。
サービスの種類にもよりますが、このあたりの年齢がひとつの目安にはなりそうです。