少し間が空きましたが、メールアドレスの利用目的について考えたいと思います。
「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」(2008.11)(PDF)によれば、
適正な同意の取得(オプトイン)の説明として、
“通常の人間であれば広告・宣伝メールの送信が行われることが認識されるような形で説明等が行われていること”
“同意の範囲について求められているのは、特定電子メールの「送信をすること」であり、送信する電子メールの種類や内容まで特定して同意をとることまでは、法律上の義務としては求められていない。”
との記述があります。
上記によれば、ユーザーへの事前の説明文として、
・「当社からの広告メールマガジンを送信します」
といった文言を記述すれば良いと思われるのですが、
これはあくまで特電法の範囲に限ったことではないでしょうか。
11月19日のTopicでは、メールアドレスは個人情報となり得る可能性があることに触れました。
メールアドレスは、ユーザー名とドメインの組み合わせにより
氏名と所属・関係する組織が判別され、場合によっては特定の個人が識別される可能性があるということです。
■メールアドレスのユーザー名とドメインの区分け
xxxxxxxxxxx@compliance.or.jp
(ユーザー名) (ドメイン)
ただし、携帯電話のメールアドレスに限ってい言えば、キャリアが数社限られていることから、
ドメインにより所属・関係する組織を判断するのは不可能で、
個人を特定される可能性は、PC等に利用される一般のメールアドレスよりも低いと思われます。
※ユーザー名が任意であることから、絶対とは言えませんが。
仮に、メールアドレスのみを取得している場合でも、
メールアドレスが個人情報としてみなされる可能性があるのならば、
個人情報保護法18条で規定される利用目的を状況に応じて
「通知」、「公表」、「明示」のいずれか方法でユーザーに伝える必要があると思われます。
※特電法と合わせて考えると、「明示」がほとんどかと思いますが。
その際に、同15条にあるように
利用目的はできる限り特定することとされているので、
単に
・「当社からの広告メールマガジンを送信します」
といった説明だけでは不足である場合もあるのではないでしょうか。
つまり、種類や内容についてもある程度は説明する必要があるのではということです。
「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」には、
【具体的に利用目的を特定している事例】
事例1 )「○○事業における商品の発送、関連するアフターサービス、新商品・サー
ビスに関する情報のお知らせのために利用いたします。」
とあります。
このあたりのバランス感覚は難しいところで、
過去に、阿部内閣は前小泉内閣のメールマガジンに登録していたユーザーに対して
引き続きメールマガジンを発行したことがありました。
一部のユーザーからは
「小泉内閣のメルマガへ登録を同意したのだから、当時の登録リストを利用して、阿部内閣がメルマガを配信するのは目的外利用ではないのか」
との声が挙がったという話しを聞いたことがあります。
今となっては小泉内閣当時に、利用目的が何と書かれていたのかは分かりませんが、
クレームの内容から察するに「小泉内閣メルマガへの登録」といった表示がされていたのではないかと思います。
ちなみに現在の、麻生内閣のメルマガ登録画面には
「メールマガジンの読者登録を行います。」
とだけ表示されています。
事業者にとっては、一度利用目的を具体的に特定してしまうと
後々変更したときに、同意を取得する必要が出てくる可能性もあることから、
時間や費用の都合上、あまり絞り込んだ形にはしたくないというのが本音ではないでしょうか。
利用目的をわざと大枠で書くのもひとつのテクニックという声を
ある企業担当者から聞いたこともあります。
メールアドレスを単体で取得する場合でも、個人情報保護法を意識して
ある程度の範囲で利用目的を特定し、説明文に盛り込むという方法が事業者にとっては無難(?)なのでしょうか…。